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はじめまして。すばるブックスです。

すばるブックスの伊藤と申します。
今年1月に1冊目を出版したばかりの出版社でして、今後も1年に1~2冊くらいのペースで発行していく予定です。
*よく考えもせず版元日誌の依頼を引き受けてしまいましたが、自分の書いたものが読まれることに慄いています。

 
 すばるブックスの始動は2023年12月からになるのですが、22年間勤めた出版社を2022年9月に辞めたときは、自ら出版社を立ち上げるとは思ってもいませんでした。
 しばらくは働かなくてもどうにか食べていけそうだったので、カッコよくいえばFIREみたいな状態だったのですが(現在は火の車状態です)、朝起きて散歩に出かけて朝食を食べてからは特にやることもなくだらだらするという生活は、実際にやってみると3日くらいで飽きました。
 時間があったので、前職で担当していたプログラムを少し発展させてみるかとExcelをいじくり始めて、発表する場もない開発を2,3か月続けてました。ある程度開発が進み、イケそうだぞと思うと世に表してみたいという気持ちが湧いてきてしまい、前職にメールしてみたところ、改めて連絡しますとの返信以降、数か月経っても何の音沙汰もありません。このころ退社の翌月に受験して運よく合格した中小企業診断士の資格を生かして、コンサルティングの仕事もちょこっとだけやっていたのですが、どうも本腰を入れてやっていくには性に合いそうもなく、50手前で一体これから何やっていくんだという不安を抱えていました。
 2023年の夏になり、前職で担当していたプログラムのサポート対応をきっかけに懇意になった方とお会いして、これからのことについて話すなかで助言をいただき、その助言をきっかけに自ら出版社を起こすことを考え始めました。
 当時は宅建の資格を取得しようと迷走していたのですが、10月の宅建試験が箸にも棒にも掛からないレベルで落ちて、寒くなり始めたころから事務所探しを始めて、出版社を起ち上げたといったところです。
 こんな感じでなんとなく始めてしまったのですが、1年以上はプログラム開発ばかりで書店とも著者とも関係のない中でやってきましたので、1冊目を発行して書店への営業や読者対応などを行うようになり、ようやく少しは出版社を運営しているという実感を感じています。

 以上がすばるブックス設立までのいきさつ(というよりも私自身の迷走ですかね)なのですが、最後に当社のプロダクトの紹介と今後の予定についてお伝えします。
 当社の1冊目である『日本人の食事摂取基準2025 栄養評価ソフト付』では、「栄養サポート」というExcel VBAで作成したプログラムを書籍の特典にしています。どんなプログラムかと申しますと、摂取した食品の内容を入力すれば、栄養計算(たんぱく質、脂質、炭水化物などの栄養価の計算)や栄養評価(摂取した食事の栄養価の合計を望ましいとされている栄養価と比較して評価する)ができるものになります。Excelベースではありませんが、有名なところでは、「あすけん」「カロミル」「MyFitnessPal」といったアプリと同じようなことができるものと考えてもらえば、わかりやすいかと思います。
 栄養計算や栄養評価のニーズは、栄養士・管理栄養士・看護師・調理師などの専門家はもちろんですが、一般の読者でも、糖尿病・慢性腎臓病・高血圧・肥満など生活習慣病を抱え食事療法や食事管理が必要な方、ダイエットや筋トレなど体調管理をされている方、などかなり広い需要があり、そのため各社から様々なプログラムやアプリケーションが提供されています。
 当社はそんな市場に躍り込んだわけですが、一応は勝ち筋らしいものは考えています。
 強み:1価格:書籍の特典であり2年間は無料で使用可能
    2機能:Excelで栄養計算や栄養評価が可能
    3生産:組版・プログラムの内製で低コストでの制作が可能
 弱み:1流通:取次との契約がない
    2認知:1冊目を出したばかりで知名度が低い
    3営業:社内にリソース・ノウハウが足りない
 1冊目を発行して2か月近くが経過しようとしていますが、実際に発行して思い知ったのは認知されることの難しさです。製品の付加価値にある程度の自信があっても実際に使ってもらうまでの障壁の高さがかなりキツいなと痛感しています。しばらくは、自社で制作したプログラムを軸にして、出版活動を展開していく予定ですが、将来的にはジャンルを問わずに面白いと思ったものをネタに出版してみたいなと思っています。
 どうぞこれからもよろしくお願いします。

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