版元××日記
×月×日 版元G社のNさんから『日記』シリーズのうち1点の重版連絡が届く。いつものように、奥付の日付と刷り数を修正して送信。出版不況とはいいながら、売れている本は売れている。こちらも編集プロダクションとしてスタートして20年、こんなに奥付更新を繰り返した本はほかにない。 (さらに…)
×月×日 版元G社のNさんから『日記』シリーズのうち1点の重版連絡が届く。いつものように、奥付の日付と刷り数を修正して送信。出版不況とはいいながら、売れている本は売れている。こちらも編集プロダクションとしてスタートして20年、こんなに奥付更新を繰り返した本はほかにない。 (さらに…)
世間では、かなりの割合の人が「推し」を持つという調査結果が出ているそうです。
そういう人たちに共通しているのは、好きな対象のために使うお金は別モノという意識だと思います。
実はかくいう私も強力な「推し」をもっています。
その前に、本当は「推し」という言い方は、大事に思っている対象を雑にひとくくりされているようで好きではないのですが、とりあえず便宜的に使っておきます。
私の歴はかれこれ7年半になります。どっぷり首まで沼にハマった状態がずっと続いていて、初めのうちは、家族に「おいおい」という冷たい目で見られていました。
東京ガスのCMをご存知でしょうか?
一人娘と暮らすシングルマザーがKポップアイドルに一目惚れし、以来無彩色だった生活がガラリと代わっていくというCM です。
一人娘は、初め年甲斐もなく若いアイドルにハマる母に引きまくっていたのですが、楽しそうな母に接するうち、「推し活」が母の原動力となっていくことを感じとっていくようになります。
その変化の過程の中で、シングルマザーとして親子二人の生活を支えるため日々頑張っている女性にふと訪れた心の潤いや、親子の愛情が浮かび上がってきて、とても温かいCM となっています。
「推し」を得てからの行動が、あまりにも自分に似ていて、思わず笑ってしまったのですが、おそらく、そのシングルマザーのように「推し」との出会いが生活を豊かにし、生きるエネルギーを倍加させてくれるという思いは、別に韓流ファンでなくても、全ての「推し」をもつ人に共通していると思います。
まあ、そんなわけで7年半、ファンクラブに入り、写真集等々の公式のグッズを買い漁り、
非公式のグッズも漁り、ファンミーティングがあると聞けば駆けつけ、
挙げ句の果ては、韓国にまで飛ぶという、(韓国の俳優さんなので)
「推し」の存在によって、一気にグローバルな(笑)、活動的な生活となったのでした。
その間、消費したお金は、数えたことはないけれど、おそらく数えたら青くなるくらい消費しているのではないかと思います。
でも、それを後悔しているかといえば、もちろん答えはNO。
「推し」とともに過ごす時間は、無味乾燥になりがちな生活を豊かにし、癒しをもたらし、エネルギーを生み出すということで、側からはどう見えようと、自分としてはかかった費用以上のものを得ているわけです。
周囲から見れば、「推し」事務所サイドの戦略にハマってしまっているワケですが、それはこちらとしては百も承知。
時々、公式のグッズの高さに、こっそり小さいため息をつくこともあるけれど、これも俳優さんがより活躍するための礎になるのだと、せっせとお金をつぎこんでおります。
このファンに特有の心理を商機と見たビジネスが生まれるのは当然のことでしょう。
出版界は、写真集や書籍など、「推し活」を牽引してきたと言えると思いますが、エンタメ以外のジャンルの出版社では、うちとは無縁の状況だと考えがちなのではないでしょうか。
しかし、ジャーナリストが推しの対象になったという例もあると聞きます。
それはその人が書いた本がきっかけとなったそうです。
「推し」はエンタメだけにはとどまりません。また、「モノ」に対する「推し」も存在するそうです。
例えば、マンホールや城や寺など、対象がなんであろうと、出会いがあってときめきの感情が生まれるとそこに「推し」が生まれる。人はなろうと思って「推し」になるワケではありません。ときめきを感じて、違う世界へ連れて行ってくれるから「推し」になるのだと思います。出版社がもし、「推し」たちにチャンスを求めたいのなら、どれほどのトキメキを与えられるのかがひとつの突破口となりうるのではないでしょうか。
絶不況の続く出版界。
どんなジャンルの本であれ、この本ならばいくら出してもいいと思わせるようなそんな魅力的な本づくりをするには、知恵を絞りアンテナを張り、不断の努力をすることが求められているのだと思います。
ということで!!
社長ぉ~♡♡(とある通信販売の口調で)
私の『推し』の本をすいれん舎から出してぇ~~~!!!
小さな一人出版社を興して2年と少しが経ちました。経営は苦戦続きで、それは自身の力量ですから、致し方ない部分もある。とはいえやはり、出版業界全体を取り巻く環境は厳しいものがあります。 (さらに…)
今回が記念すべき初投稿となります!今後ともよろしくお願いいたします。
弊社はアニメーション、実写映像のプロデュースをしている会社ではありますが、弊社管理作品の画集や脚本集、ムック本などの書籍をイベントに合わせてわずかながらに販売させて頂いております。
普段はアニメーションや競走馬のグッズを作ったり、イベントを企画したりしています。 (さらに…)
昨年の秋、「第21回出版梓会新聞社学芸文化賞」を寿郎社が受賞したとの連絡を受けました。
まったく期待していなかったので驚くと同時に、賞金が出ることに気づき、借金返済などといった他の用途に使われないうちに急いで画面の大きいパソコンを注文しました。今まで自前のノートパソコンを使ってちまちまと装幀や組版をやっていたので、眼精疲労で目がどうにかなりそうでした。 (さらに…)
信陽堂の丹治史彦と申します。
版元としてはまだ10タイトルほどの駆け出しですが、出版の世界ではかれこれ40年弱仕事をしてきました。自己紹介代わりに、自分が出版社で働きはじめた経緯を書いてみます。 (さらに…)
新曜社営業部に入社して4年が経ちました。はじめまして、林智洋と申します。
版元日誌を書くにあたって、前職のことも書けば面白いんじゃないかとN部長よりアドバイスもいただいたのですが、新曜社にたどり着く前に3回も転職したので、前々々職から振り返っていきます。 (さらに…)
代表取締役の福田富与が2001年2月1日に独立し、産声を上げたJリサーチ出版も25周年を迎えようとしております。まだまだ、先輩の版元様には及ばない小さな会社ではございますが、干支で言えばふた周り、四半世紀と聞けば、創業からの時間に、それなりの長さを感じてしまいます。人間だって、2001年に生まれた方は、もう立派な成人ですね。 (さらに…)
CS出版で代表を務めます藪内健史と申します。
CS出版は、書籍制作・エディトリアルデザインをメイン業務としている株式会社クリエイティブ・スイートがつくった版元レーベルです。
2022年に設立し、現時点で2冊の本を出版しました。 (さらに…)
初めまして、一人版元「書肆アルス」の山口亜希子と申します。一昨年に加入しました。このたびは機会をいただきありがとうございます。 (さらに…)