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桃花源の幻 格 非(著) - アストラハウス
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9784908184321

桃花源の幻
原書: 人面桃花

文芸
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四六判
576ページ
並製
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-908184-32-1   COPY
ISBN 13
9784908184321   COPY
ISBN 10h
4-908184-32-1   COPY
ISBN 10
4908184321   COPY
出版者記号
908184   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月30日
書店発売日
登録日
2021年8月23日
最終更新日
2021年11月22日
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受賞情報

第9回茅盾文学賞受賞(2015)

紹介

新発見! ため息のように美しい 中国文学・珠玉の名作
華語文学メディア大賞(年度傑出成果賞 2004)
鼎鈞双年文学賞(2005)
茅盾文学賞受賞(2015)
全米図書賞・翻訳文学部門 ファイナリスト選出(Peach Blossom Paradise)(2021)
「普済(プージー)にもうじき雨が降るぞ」そう言い残して失踪した父、心をざわめかせる謎の男の登場、そし琥珀の眼を持つ金の蝉……。
外の世界には自分の知らない無数の奥深い秘密があるが、みんな口を閉じて、自分には何ひとつ漏らそうとしない……。
十五歳の秀米(シュウミー)は世の中の全てにいらだっていた。

【あらすじ】
●第一章:時は清朝末期。主人公秀米(シュウミー)は江南の裕福な地主のひとり娘。初潮を迎えるシーンから物語は始まる。まさにその日、精神に異常をきたしていた父が失踪する。入れ替わるように謎の男性・張季元(ジャン・ジーユエン)を家に迎え入れる母。自分とは別のところで世界の秘密が動いていくと苛立ち焦れる秀米。やがて不思議な事件が次々と起き、張季元が死体で発見される。全てを操っているかに思える不気味な金の蝉。

●第二章:亡き張季元の日記を手に、希望のない婚礼の花駕籠に乗る秀米。途中、匪賊(ひぞく)に襲われ誘拐され、匪賊の隠れ家「花家舎(ホアジャーシャ)」で、先の見えない暮らしが始まる。この地は理想郷実現を目指した匪賊の総元締めの、壮大な実験の地であった。その夢敗れた、激しい闘争の日々。見え隠れする革命への希望と挫折。秀米は女性としての転機をこの地で受け入れ、やがて自身の魂に眠る熱情に気づいていく。

●第三章:この章は老虎(ラオフー)と呼ばれる思春期の青年の視点を通して描かれる。誘拐され死んだと思われていた秀米が、突然、日本の東京から、江南のこの村へ戻ってきた。彼女は横浜や仙台でも活動していたらしい。ミステリアスで寡黙な「校長」と呼ばれる謎の女性として描かれる秀米は、普済学堂に村人を集め、指導者として理想社会を画策し挫折を繰り返す。彼女が連れ帰った名前のない「ちびっ子」と呼ばれる男の子と老虎の交流。そして、最大の悲劇が起きる。

●第四章:理想社会の夢敗れ、犯罪者として捉えられた秀米。獄中で出産し、生まれたばかりの我が子は獄吏に奪われる。死刑前夜に辛亥革命が起こり死を免れたが、そのまま獄中で忘れ去られ、やがて放擲されるように釈放される。みすぼらしい姿で故郷の村に戻った彼女は、自分自身を罰するように、語ることを自らに禁じる。やがて人々を襲う大飢饉、餓死寸前の村で奇跡のように理想の共同体が出現する。そこで彼女にもたらされた幸福とは何か。死の直前、彼女は父の遺した不思議な素焼きの釜に映る未来を見つめた。

目次

第一章 六本の指

第二章 花家舎(ホワジャーシャ)

第三章 小東西(シャオドンシ)、ちびっ子

第四章 禁じられた語り

日本語版刊行に寄せて   格 非

解説 精神的な高みで求め合う魂が織りなす格非の「桃源郷」  関根 謙

Glossary(訳者による用語解説)

版元から一言

推薦  松浦寿輝氏(詩人・作家・評論家)
歴史と虚構、事実とイメージが溶け合う広大な文学空間を、現代中国屈指の作家・格非の想像力は勇壮に飛翔し、滔々と流れる大河のような物語を紡ぎ出してゆく。
桃花の咲き馨るユートピアを希求し、波乱の生涯をおくる個性豊かな人々の群像が、中国古来の豊饒な詩歌文芸の記憶の想起とともに活写される。
その中で、数奇な運命に翻弄され、革命を企て、獄につながれ、言葉を失い、またそれを取り戻して死んでゆく主人公・秀米の人物像はひときわ哀れで美しい。

著者プロフィール

格 非  (ゴ フェイ カク ヒ)  (

格 非(Ge Fei/ゴオ・フェイ/かく・ひ)
本名・劉 勇(Liu Yong)。清華大学人文学部中国語学科特任教授。 同大学文学創作センター所長。1964年中国江蘇省鎮江市生まれ。85年上海・華東師範大学卒業。デビュー作は86年「追憶烏攸先生」。87年「迷い舟」などの作品で、同世代の蘇童や余華らとともに「先鋒文学」の旗手とされる 。88年『時間を渡る鳥たち』(新潮社 1997年)はポストモダニズムの傑作として高く評価された。2 0 0 4 年、およそ十年の沈黙をへて本作『桃花源の幻』( 原作「人面桃花 )で中国読書界を騒然とさせる。この作品で第3回華語文学メディア大賞(年度傑出成果賞 04)、第2回鼎鈞双年文学賞(05)を受賞。続く第二部「山河入夢」、第三部「春尽江南」と合わせた「江南 三部作」として、第九回茅盾文学賞 ( 15 ) 受賞。清華大学で文学理論などを講義する傍ら、精力的に執筆活動を続け、最新長編作品「望春風」( 未邦訳 )で 、第1回京東文学賞 ( 17 ) 受賞。

関根 謙  (セキネ ケン)  (

1951年福島県生まれ。慶應義塾大学名誉教授。専門は中国現代文学。慶應義塾大学大学院修士修了、博 士(文学)。慶應義塾大学文学部長をへて2017~21年雑誌『三田文学』編集長。主な著書に『近代中国 その表象と現実』(平凡社)、『抵抗の文学 国民革命軍将校阿壠の文学と生涯』(慶應義塾大学出版会)など。主な翻訳書に 『飢餓の娘』(虹影 集英社)、『時間を渡る鳥たち』(格非 新潮社)、『南京 抵抗と尊厳』(阿壠 五月書房新社)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。