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四六判
縦194mm
横136mm
厚さ13mm
208ページ
仮フランス装(天アンカット)
価格
3,000円+税
- ISBN
- 978-4-906738-29-8
- Cコード
-
C0392
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一般 全集・双書 日本文学詩歌
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年3月
- 書店発売日
- 2018年3月14日
- 登録日
- 2017年7月5日
- 最終更新日
- 2018年3月19日
紹介
分離する朔太郎賞受賞作――
疎外は夢
解離は憧れ
死は古典
運命のように
血は血を演じ続けるのだ
私は新しい猿たちに告げよう
この立ち枯れた宇宙の片隅では
起源無き動力があらゆるものを支配している
それを人間たちのように「時間」と呼んではならない
君が見たものの一切は
君自身の外部の形象にすぎないのだから
それを人間たちのように「世界」と呼んではならない
退屈なのだおそらく
何もかもが
君には
(栞=寄稿:井土紀州、著者解題)
雑誌「重力01」のために
「TDU(タクシー・ドライバーズ・ユニオン)」という長編詩を書いていた。
たしか九月が〆切りで、それに間に合うように書いたのだったが、
さあ入稿しようとした直前にニューヨークで派手なテロが起きた。
いわゆる「9.11」である。
「TDU」は
タクシー運転手の組合が乗客を人質にして自爆テロを計画するという詩だったので、
ああやられたと思った。
「9.11」のあとで「TDU」を出したって遅い。
予言詩的なテクストを書いていただけに残念だった。
〆切りが延びたことを幸いに私は長編詩「TDU」を瓦礫化することにした。
上記内容は本書刊行時のものです。