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樹に聴く 清和研二(著/文) - 築地書館
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樹に聴く 香る落葉・操る菌類・変幻自在な樹形

発行:築地書館
四六判
296ページ
定価 2,400円+税
ISBN
9784806715900
Cコード
C0045
一般 単行本 生物学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年8月9日
最終更新日
2019年10月9日
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書評掲載情報

2020-01-05 東京新聞/中日新聞  朝刊

紹介

森をつくる樹は、さまざまな樹々に囲まれてどのように暮らし、次世代を育てているのか。
芽生えや種子散布に見る多様な樹種の共存、種ごとに異なる生育環境や菌類との協力、人の暮らしとの関わりまで、
日本の森を代表する12種の樹それぞれの生き方を、120点以上の緻密なイラストとともに紹介する。
長年にわたって北海道・東北の森で暮らし、研究を続けてきた著者が語る、身近な樹木の知られざる生活史。

目次

序章
老樹に会いに行く
巨木への遠い道のり
樹々の気持ちを慮る
生育場所ごとに─本書の構成

第1章 川辺に生きる
ケヤキ ─ 欅
大空に向かう
目立たない花
空飛ぶ果実
急斜面に純林を作る
斜面にしがみつく根
もっと遠くに飛ばすために
飛ばない果実
危険を分散する
祖母の引き出し
サワグルミ ─ 沢胡桃
まっすぐな樹
翼のある果実
なぜ川岸に並ぶのか
果実を運ぶのは誰だ
二万個の果実を川に浮かべる
雪解け水
育ての親
幅広い川の中州でも
タネの通り道
文化の程度
カツラ ─ 桂
四季を彩る
渓流のお姫様
数百年を生きる森の女神
三輪車
オノエヤナギ ─ 尾上柳
川辺で生まれ、川辺で死ぬ
川辺の出会い
初夏に満ち溢れる
春に伸ばした枝を夏に落とす
若々しい旅立ち
適地を求めさまよう
チャンスは一度
メス社会
石狩川沿いの大河畔林
オスとメスは棲むところが違う!?
渓畔林を取り戻す
コラム1 枝の寿命─さっさと落とすか、長く持ち続けるか

第2章 老熟した森で暮らす
ブナ ─ 山毛欅
長い冬の終わり
秋に準備する
豊作と凶作─種子を食い尽くされないために
スペシャリストとジェネラリスト
一緒に花を咲かせる
ブナはなぜ群れるのだろう
親木の下から逃げ出す種子
居心地の良いミズナラとホオノキの下
ブナの子供は甘えん坊─近すぎず遠すぎず
土の中の心強い友達─外生菌根菌
混じり合う
スギとブナが混じる森
負の自然遺産
あがりこ─根こそぎにしない
森に祈り、舞う
コラム2 孤立する樹と群れる樹─空間分布を操る菌根菌
チマキザサ─粽笹
林床を覆い尽くす
春と秋に稼ぐ
ギャップから周囲に広がる
生理的統合
長い地下茎─ギャップから林内へ
長い地下茎─林内からギャップへ
またがることによって大きくなる
ヨシカレハ
積丹半島の西海岸のチシマザサ
コラム3 季節の隙間を利用する─小さくても諦めない

第3章 林冠の撹乱を待つ
ノリウツギ ─ 糊空木
夏の訪れ
森の隙間で花を咲かせる
傾く幹
分身の術
したたかに生きる─無性繁殖
再びギャップに巡り合うまで
芥子粒のような芽生え
真冬の花
杖を作る
コブシ ─ 辛夷
春の訪れ
赤と黒
温度変化でギャップを知る
コブシの有性繁殖と無性繁殖
誰が植えたかコブシの林
コラム4 今だ、発芽しよう─種子の大きさで違うギャップ察知の仕組み
キハダ ─ 黄檗
木陰
雌株と雄株
鳥もミツバチも人間も
親心
順次開葉する芽生え
エゾフクロウを送る木幣
コラム5 大きな種子と小さな種子─多種共存を促す種子サイズのばらつき
アカシデ ─ 赤四手
筋肉質な幹
赤い葉を開く
地味な花の一瞬の輝き
鈴なりの果実
尾根筋の明るいギャップが好き
混牧林

第4章 人里近くで生きる
コナラ
里山の白い煙
潜伏芽という保険
実生由来のコナラ林
コナラが群れる不思議を解く─菌根菌を介して子供の面倒を見る
ギャップと菌根菌
コナラの机─新しい里山を目指して
山伏が駆ける
コラム6 頂芽優勢が作る潜伏芽─再生するための萌芽
ヤマナシ─山梨
放牧地に咲く白い花
野生の甘み

あとがき
参考文献
索引

著者プロフィール

清和研二  (セイワケンジ)  (著/文

1954年山形県櫛引村(現 鶴岡市黒川)生まれ。月山山麓の川と田んぼで遊ぶ。
北海道大学農学部卒業。東北大学大学院農学研究科教授。
北海道林業試験場で広葉樹の芽生えの姿に感動して以来、樹の花の咲き方や種子の発芽、
さらには種子の散布などについて観察を続けている。
近年は天然林の多種共存の不思議に魅せられ、その仕組みと恵みを研究している。趣味は焚き火。

著書に『多種共存の森』『樹は語る』(以上、築地書館)、
編著・共著に『発芽生物学』『森の芽生えの生態学』(以上、文一総合出版)、
『樹木生理生態学』『森林の科学』(以上、朝倉書店)、『日本樹木誌』(日本林業調査会)、
『樹と暮らす』(築地書館)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。