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ネコ・かわいい殺し屋 ピーター・P・マラ(著/文) - 築地書館
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ネコ・かわいい殺し屋 生態系への影響を科学する

発行:築地書館
四六判
288ページ
定価 2,400円+税
ISBN
9784806715801
Cコード
C0045
一般 単行本 生物学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年2月8日
最終更新日
2019年3月29日
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書評掲載情報

2019-06-22 日本経済新聞  朝刊
評者: 高橋秀実(ノンフィクション作家)
2019-06-09 読売新聞  朝刊
評者: 三中信宏(進化生物学者)

紹介

約9500年前に家畜化され、文明の伝播とともに世界中に広がったネコ。
人を魅了してやまない彼らの存在は、鳥類や哺乳類をはじめとする生物群にどのような影響をもたらすのか。
捕食による希少種の絶滅や、人や海棲哺乳類への病気の媒介、TNR(捕獲・不妊去勢・再放逐)の有効性など、野放しネコと環境との関わりを科学的に検証するとともに、各国で行われている対応策とその効果を紹介する。

ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)、
ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス、
フォーブス誌ベストブック・トップ10(2016年、保全と環境)大絶賛!

目次

第1章 イエネコによる絶滅の記録
ナチュラリストの灯台守
ニュージーランドの固有鳥類とその絶滅
多産系肉食獣・イエネコの狩猟能力が与える打撃
判明していない絶滅前の分布
イエネコの破壊力――ほんの数年で起きた絶滅

第2章 イエネコの誕生と北米大陸での脅威
野生動物の生息地復元とエコロジカル・トラップ イエネコのルーツ――ヨーロッパヤマネコ
イエネコの進化と拡散
保全生物学の誕生
環境汚染物質と自然保護
絶滅種の14パーセントに関与
ソコロ島における外来種の影響と対策
野放しネコの影響を科学する

第3章 愛鳥家と愛猫家の闘い
野鳥フィールドガイドの誕生
イエネコと人間の関係史
ネコは社会制度のフィルター――ネコの待遇の変化
銃から双眼鏡へ――フィールドガイドの功績
自然界と人をつなぐバードウオッチング
バードウオッチングとネコの経済効果
屋外ネコと人の関係
野放しネコの実態と世話人
野放しネコに対する世話人の認識

第4章 ネコによる大量捕殺の実態
野鳥への脅威を初めて世に問うたアメリカ人
ナチュラリスト大統領の自然保護政策
法律と現状のミスマッチ
鳥類保護に立ち塞がる困難
野鳥個体群の変動とネコの捕食の影響
ネコの脅威は在来捕食者を超える
野放しネコの直接的影響
全米の野放しネコによる野生動物被害数
嵐の勃発――愛猫家らの反応
第六の大量絶滅

第5章 深刻な病気を媒介するネコ――人獣共通感染症
飼いネコから人に感染するペストの脅威
ネコひっかき病のバルトネラ菌
ネコも媒介する狂犬病
アメリカにおける狂犬病感染の主犯、ネコ
ネコ科動物から大拡散するトキソプラズマ症
「寄生生物操作仮説」の実証
人も発症するトキソプラズマ症
人への感染――妊婦に及ぼす危険と統合失調症
野生動物への影響――カラスと海棲哺乳類の事例
ネコ白血病のネコ科野生動物への感染

第6章 駆除 vs 愛護――何を目標としているのか
絶滅危惧種フエコチドリ
フエコチドリ保護のためのネコ狙撃事件
野放しネコの法的位置づけ
希少種保護のための二つの法律
野生化ネコに対する提案と炎上する議論
拒否された投票結果
オーストラリアのネコ問題
人道的駆除計画
固有動物相を大切にするオーストラリア国民
ニュージーランドの取り組み――キャッツ・トゥ・ゴー
自然保護のジレンマ
動物福祉と環境倫理

第7章 TNRは好まれるが、何も解決しない
動物愛護協会で譲渡を待つ子ネコ
ボランティアが支えるTNR活動
TNRへの期待、それに続く失敗と限界
動物倫理から見たTNR
不妊去勢手術
地域ネコのTNR活動の現場
殺処分からTNRへ――地域ネコ管理の転換
TNRを支える迷信
TNRが個体数減少に成功するための条件――高い不妊化率と移入ゼロ
TNR失敗要因とバキューム効果の有無
TNRのさらなる問題点――軽視される生態系
オレゴン州の捕獲ワナ――その後

第8章 鳥、人そしてネコにとって望ましい世界
野放しネコの影響をどう考えるか
野放しネコが減らない背景
ネコシェルターの実状
飼い主側の問題
関連団体やペット業界の役割
飼育許可制を目指す
野放しネコの捕獲排除を巡る科学と非科学
TNRの広がりとその効果への疑問
島の捨てネコを減らす――オレゴン州での事例
多様な団体の協同――ハワイの事例
TNRとネココロニーが容認される特例
野放しネコ対策を現実的に考える
野生化ネコ対策の成功事例と費用
致死的排除法と生物多様性への投資
自然に関心を持つことの重要性

第9章 どのような自然が待ち受けているのか?
対応の遅れがもたらす悲劇
大災害としての野放しネコ問題
乗り越えるべき二つの障壁
野放しネコの影響と私たちの未来


訳者あとがき
参考文献
索引

著者プロフィール

ピーター・P・マラ  (ピーターマラ)  (著/文

鳥類学者。アメリカ・スミソニアン動物園・保全生物学研究所の渡り鳥研究センター所長を務める。
これまでに175編以上の多数の研究論文や書籍を刊行。共著書に『Birds of Two Worlds(2 つの世界の鳥類)』がある。

クリス・サンテラ  (クリスサンテラ)  (著/文

サイエンスライター。旅行やアウトドアのガイドブックシリーズ(『Fifty Places Before You Die(死ぬ前に訪れるべき50か所)』)のほか、ニューヨークタイムス紙、ウォールストリート・ジャーナル紙、ニューヨーカー紙、トラウト紙などでも執筆している。

岡奈理子  (オカナリコ)  (翻訳

公益財団法人山階鳥類研究所フェロー。水産学博士(北海道大学)。
専門は鳥類学で、80編の科学論文の9割が海鳥の生態研究と保全である。
近年、海鳥繁殖島へのネコの影響評価が加わった。
著書(分担執筆)に『保全鳥類学』(京都大学学術出版会)、『鳥と人間 われら地球家族』(NHK 出版)、
『鳥類学辞典』(昭和堂)、『野生動物保護の事典』(朝倉書店)、『御蔵島島史』(ぎょうせい)、
『海のプロフェッショナル2 楽しい海の世界への扉』(東海大学出版会)など。
共訳書に『鳥の絶滅危惧種図鑑』(緑書房)、『鳥類学』(新樹社)、『オーシャンバード 海鳥の世界』(旺文社)がある。

山田文雄  (ヤマダフミオ)  (翻訳

国立研究開発法人森林総合研究所非常勤研究員。研究調整官や上席研究員を経て退職。
現在も長年取り組んできた琉球諸島の生態系保全研究などの活動を続ける。専門は哺乳類保全生態学。農学博士(九州大学)。
著書に『日本の外来哺乳類 管理戦略と生態系保全』(東京大学出版会、共編著)、
『ウサギ学 隠れることと逃げることの生物学』(東京大学出版会)、『森林と野生動物』(共立出版、分担執筆)など。
論文では希少哺乳類や外来哺乳類などに関して多数。

塩野﨑和美  (シオノサキカズミ)  (翻訳

京都大学大学院地球環境学舎博士後期課程修了。博士(環境学)。奄美野生動物研究所研究員。専門は野生生物管理学(特に外来哺乳類)。著書に『奄美群島の自然史学 亜熱帯島嶼の生物多様性』(東海大学出版部、分担執筆)。

石井信夫  (イシイノブオ)  (翻訳

東京生まれ。自然環境研究センター研究員を経て東京女子大学現代教養学部教授。
農学博士(東京大学)。専門は哺乳類の生態と保全。マングースやアライグマなど多くの外来哺乳類管理事業に参画してきた。
著書(分担執筆)に『日本の哺乳類(改訂2 版)』(東海大学出版会)、
『レッドデータブック2014 1 哺乳類 日本の絶滅のおそれのある野生生物』(ぎょうせい)、
『魚たちとワシントン条約 マグロ・サメからナマコ・深海サンゴまで』(文一総合出版)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。