紹介
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の重要な構成要素の一つである「価値」について徹底的に解説した。「価値」とは,「人生のコンパス」と言えるものであり,クライエント自身が何に価値を置くか明確にすることによって人生の方向性が明確になり,価値に沿った行動に取り組めるようになる。本書は,ACTの中でも難易度の高いこの課題をセラピーで取り扱うために必要な知識とツールを提供する。豊富なワークシートやエクササイズは,クライエントが価値づけられた行為を発見し,探り,コミットするために役立ち,セラピストの大きな助けとなるだろう。
著者プロフィール
ジョアン・C・ダール
(ジョアン シー ダール) (著/文)
スウェーデンのウプサラ大学心理学部の准教授,上級講師。慢性疼痛を含むさまざまな状態に対してアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を応用してきた,一流のACTの研究者。
ジェニファー・C・プラム
(ジェニファー シー プラム) (著/文)
ネバダ大学リノ校の上級臨床心理学博士課程の学生であり,スティーブン・ヘイズ博士と協働している。2004年よりACTを実践しており,おもに不安症,うつ,そして対人関係における困難を抱える患者のカウンセリングをしている。おもな関心は,臨床行動分析,関係フレーム理論,そしてACTの観点からの,臨床場面への価値の適用に特に焦点化した心理療法のプロセスとアウトカムに関する研究である。
イアン・スチュアート
(イアン スチュアート) (著/文)
アイルランド国立大学メイヌース校で博士号を取得。アイルランド国立大学ゴールウェイ校心理学部の教員。学術研究は関係フレーム理論の観点からの言語と認知の分析に焦点を当てている。
トビアス・ラングレン
(トビアス ラングレン) (著/文)
認知行動療法およびACTを専門とする認定臨床心理士。行動医学,心理測定学,そして自己破滅的行動の領域における積極的な臨床家および研究者。スウェーデンのウプサラ大学心理学部と提携しており,多くの発展途上国において研究を実施してきた。
熊野 宏昭
(クマノ ヒロアキ) (監修)
早稲田大学人間科学学術院教授。医師・臨床心理士。1985年,東京大学医学部卒業。東京大学心療内科医員,東北大学大学院医学系研究科人間行動学分野助手,東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学(東京大学心療内科)准教授などを経て,2009年より現職。心身症,摂食障害,パニック障害などを対象に,薬物療法や面接治療に加え,認知行動療法,アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT),マインドフルネスなどの行動医学的技法を積極的に用いている。著書に,『マインドフルネスそしてACT へ――二十一世紀の自分探しプロジェクト』(星和書店),訳書に『ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をまなぶ』(共監訳,星和書店)などがある。
大月 友
(オオツキ トム) (監修 | 翻訳)
早稲田大学人間科学学術院准教授。公認心理師・臨床心理士。2002年,筑波大学第二学群人間学類卒業。新潟大学大学院教育学研究科修了。広島国際大学大学院総合人間科学研究科修了(博士)。早稲田大学人間科学学術院助教,専任講師を経て,2013年より現職。訳書に『セラピストが10代のあなたにすすめるACTワークブック』(共監訳,星和書店),『アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)〈第2版〉』(共監訳,星和書店),『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(分担訳,星和書店)などがある。
土井 理美
(ドイ サトミ) (監修 | 翻訳)
東京医科歯科大学医歯学総合研究科国際健康推進医学分野(公衆衛生学),日本学術振興会特別研究員PD。公認心理師・臨床心理士。2011年,早稲田大学人間科学部卒業。北海道医療大学大学院心理科学研究科修士課程修了。北海道医療大学大学院心理科学研究科博士後期課程修了(博士)。東京医科歯科大学医歯学総合研究科国際健康推進医学分野にて日本学術振興会研究員PD,プロジェクト研究員・プロジェクト助教を経て,2020年より現職。
嶋 大樹
(シマ タイキ) (監修 | 翻訳)
同志社大学心理学部助教,国立循環器病研究センター糖尿病・脂質代謝内科非常勤臨床心理士。公認心理師・臨床心理士。2013年に早稲田大学人間科学部卒業。早稲田大学大学院人間科学研究科修了(修士)。早稲田大学大学院人間科学研究科修了(博士)。日本学術振興会特別研究員,綾瀬駅前診療所非常勤臨床心理士などを経て,現職。訳書に『教えて! ラス・ハリス先生 ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)がわかるQ&A』(共監訳,星和書店)がある。