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板倉聖宣の考え方 板倉 聖宣(著) - 仮説社
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板倉聖宣の考え方 授業・科学・人生

発行:仮説社
四六判
縦188mm 横128mm
200ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-7735-0288-6
Cコード
C0037
一般 単行本 教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2018年8月
書店発売日
登録日
2018年7月24日
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紹介

板倉聖宣の以前と以後とでは,教育の考え方はまったく違ってきました。それは「たのしい授業」という考えが有るか無いか,また「授業の成功失敗をきめるのは授業を受けた人」という評価論の有無によって明らかです。教育の全面改造を目指して仮説実験授業を提唱して以来,体験した子どもと教師たちの圧倒的な支持を受け,世界の教育研究者につよい影響をあたえ続けている板倉聖宣の短編30章とその読み方。

目次

  はじめに …………………………………………………………………………3
これまでとは違う原理に基づいて考える ……………………………………11
   もっと勉強すれば……/自分のすばらしさを発見していく子どもたち、そして僕
科学は自然発生しない ………………………………………………………………17
   楽しい教師は自然発生しない/授業書の発明
石橋をたたいて堂々と渡る ………………………………………………………23
   「石橋」をたのしく渡る/せめて一匹羊の強さを!
授業書作成における民主主義 ……………………………………………………29
   民主主義の結果は「楽しさ」で/僕にとっての「民主主義」
理想主義と研究至上主義の成果 …………………………………………………35
   理想なければ妥協なし/科学への信頼は人への信頼
教育に「実験」は許されるか ……………………………………………………41
   今できそうなことを追う
科学を〈みんなのもの〉にする仕事 …………………………………………47
   社会は教室の拡大図/だから仮説実験授業なんだ
アマチュア主義の伝統が生きる時代 …………………………………………53
   アマチュア教師として生きる/教えたいことを教えられる喜び
物質同定の原理 …………………………………………………………………………59
   「認識同定の原理」かも/「すべての子どもたち」とは
教育でしか実現できないこと ……………………………………………………65
   「たのしさ」が未来をつくる力/あこがれて踏み出した一歩
問題意識を大切に ……………………………………………………………………71
   「正しい実践的課題」をもつ/明るい見通しがもてる道
〈動機の構造〉から考える …………………………………………………………77
   たのしい授業の文化に浸かる/長続きする楽しさ
楽しい授業への条件 …………………………………………………………………83
   教師入門と民主主義/たのしい教師になるための条件
「理気論」と仮説実験授業 …………………………………………………………89
   「楽しい授業」の座標/「自分が気持ちいい」でなくっちゃ
〈学んだ感動〉が記憶に残る授業 ………………………………………………95
   授業は生き物です/「たのしかった」という記憶
感動的な発見と自由な発想をもとに …………………………………………101
   「ナルホド!」と思う瞬間/「問題児」なんて、書けないな
科学的認識と文学的表現 ……………………………………………………………107
   授業書は「文学作品」でもある/自慢話じゃ叱られるかな
教育が生まれかわるために ………………………………………………………113
   ぼくの夢もつづきます/そっくりなこと、まるで違うこと
仮説実験授業の基本 …………………………………………………………………119
   「たのしさ」の権利/科学と契約しちゃいます
おもしろくないことは勉強しない能力 ………………………………………125
   「科学者とあたま」/「恩師」のことば
科学的教育学の成立 …………………………………………………………………131
   再び「ぼくたちのルネサンス」/「偶然の幸運」から必然へ
絶対的自己賞賛 …………………………………………………………………………137
   人生は一本の道でしか歩めない/「他人の笑顔」が快感のもと
「ないものがある」という認識 …………………………………………………143
   「ゼロと1の間」を楽しむ/ゼロからのスタート
楽しい授業を実現する基本的条件 ………………………………………………149
   「ありがとう」を実現する条件/子どもと教師の笑顔のモト
仮説実験授業とは何か ………………………………………………………………155
   迷いはヤル気の証拠/恐ろしいけど素晴らしい世界へ
「教育の多様性」の重要性 …………………………………………………………161
   「先生の仕事」を見直す/いると困る? いないと困る?
教育を根本的に考え直すとき ……………………………………………………167
   一枚の感想文/ヒーロー出現の条件
「本当の民主主義」を学ぶ …………………………………………………………173
   「ラブストーリー」は突然に/「ありがとう」が口ぐせ
自らを変革する授業 …………………………………………………………………179
   「守り育てる」という言葉/自分を好きになれた自分の発見
教育における明治維新・仮説実験授業 ………………………………………185
   「確かな証拠」をにぎりしめて/科学! ほんものの魅力
 あとがき ………………………………………………………………………………………191
 発表年月順のもくじ …………………………………………………………………………195
 著者プロフィール ……………………………………………………………………………196

前書きなど

    はじめに
 
 これまで僕(小原)は、中学校・大学で教師生活を43年間つづけています。そして、「あー、子どもたち(大学生たち)の笑顔に囲まれたシアワセ教師人生をおくっているなー」と心から思っています。こんな今の僕が在るのは、そうっ、板倉聖宣さんと、そして仮説実験授業とに出会えたおかげなのです。
 〈仮説実験授業〉は教師1年生だった僕に「本格的な科学の授業」の実践を可能にしてくれたし、〈板倉聖宣さんの考え方〉は僕に授業・教育の枠を超えた「刺激的な充実人生」を可能にしてくれました。といっても、じつはこの僕、正直言って、板倉さんの著書を全て読んでいるわけではありません。それどころか、僕は読書をあまりしない方だと思っているのです。「勉強」って感じが嫌いなんです。〈教育〉って、恐ろしい一面をもっているのですねぇ。
 しかし、そんな僕でも〈新しい世界・考え方〉には触れたいんだよなー。だから、それほど長くなく、しかも知的刺激をしっかりと与えてくれる文章にはとても飢えているのです。そんなわけで、「これ、どういうことなんだろう?」「板倉さんはどう考えているんだろう?」と、とても気になる、あるいはとても困ったことに出会ったときにだけ、板倉さんの著書の中でも気に入った本の、しかもその中の「気に入った所」を中心に読んでいるだけなのです。そんな僕にとって、犬塚清和さんが編集・抜粋・紹介してくれる「板倉さんの言葉や短文」は(つまり、この本のもとになった『たのしい授業』の連載記事は)とてもありがたかったのです。──あー、いい所を取り出してくれてるなー。しかも読み応えがあるなー。それもそうだな、仮説実験授業の考え方や板倉哲学の基礎・基本が詰まっているんだもの!
 これなら、僕、自信を持ってみなさんにおススメできる。それに、この長さ。1テーマがたったの3ページ。だから、「本離れ」と言われている若者たちにだって手にとってもらえそう!
 板倉聖宣さんのファンにはすごくうれしい本だと思うけど、「イタクラ・キヨノブ」をまだ知らない方にも、「この世界」はぜひおしらせしたいです!

版元から一言

2018年2月7日,皆さんに愛された板倉聖宣さんが逝去しました。87歳でした。板倉先生はご存命中,多くの研究をされ,多くの原稿を書き,数多くの講演を行ないました。その多様な仕事の中からテーマを厳選し,仮説実験授業の魅力が伝わりやすいよう,1冊にまとめました。

著者プロフィール

板倉 聖宣  (イタクラ キヨノブ)  (

1930年 東京の下町(現・台東区東上野)に生まれる。
1951年 学生時代に自然弁証法研究会を組織。機関誌『科学と方法』を創刊。
1958年 物理学の歴史の研究によって理学博士となる。
1959年 国立教育研究所(現・国立教育政策研究所)に勤務。
1963年 仮説実験授業を提唱。仮説実験授業研究会代表(~2018)。
1973年 月刊『ひと』(太郎次郎社)を遠山啓らと創刊。
1983年 月刊『たのしい授業』(仮説社)を創刊。2018年まで編集代表。
1995年 国立教育研究所を定年退職(名誉所員)。私立板倉研究室を設立。サイエンスシアター運動を提唱・実施。その後「科学の碑』の建設なども。
2013~16年度 科学史学会会長。
2018年 2月7日 逝去。
著書 科学史・教育史の専門書の他,仮説実験授業を中心とする科学教育・社会の科学,特に歴史教育,科学啓蒙書,科学読み物,絵本など,広い範囲にわたって多数。たとえば,『原子論の歴史』『模倣の時代』『増補 日本理科教育史』『仮説実験授業』『未来の科学教育』『科学的とはどういうことか』『歴史の見方考え方』『もしも原子がみえたなら(絵本)』(以上,仮説社),『日本史再発見』(朝日新聞),『ぼくらはガリレオ』(岩波書店)等々。

犬塚 清和  (イヌヅカ キヨカズ)  (

1942年 愛知県西尾市に生まれる。愛知学芸大学(現・愛知教育大学)卒業。
1965年 同市で中学校の教員となる(1967年~仮説実験授業研究会 会員)。西尾サークルを拠点にガリ本発行の中心となる。教員を定年退職(2003年)後も全国をとびまわり,仮説実験授業研究会の事務局長を続けている。ルネサンス豊田高校校長・ルネサンス高校グループ名誉校長。
著書 『教師6年プラス1年』『輝いて!』(仮説社),『こんな学校があってよかった』(キリン館),その他,『科学入門教育』『未来の風』等編著多数。

小原 茂巳  (オバラ シゲミ)  (

1950年 宮城県登米郡に生まれる。5 人兄弟の末っ子。
1974年 中央大学理工学部卒業。75年,東京都葛飾区綾瀬中学校で初めて教壇に立つ。すぐに仮説実験授業を知り,同研究会の会員に。中学生が楽しみに待つ授業記録「授業通信」を発明。その後,都内の公立中学校7校を経て,現在は明星大学特任准教授。昭島「たのしい教師サークル」主宰。
著書 『授業を楽しむ子どもたち』『たのしい教師入門』『未来の先生たちへ』(仮説社),他。『たのしい授業』に多くの論文を発表している。

上記内容は本書刊行時のものです。