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憧憬のアルストピア 金山 弘昌(責任編集) - ありな書房
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イタリア美術シリーズⅢ マニエリスム

憧憬のアルストピア パラッツォ・デル・テ「クピドとプシュケの間」からボマルツォ「聖なる森」へ
原書: Collectio artium Italicarum III, MANIERISMUS ARSTOPIA IN DESIDERIO:Ex Palazzo del Te “Camera di Cupido e Psiche” ad Bomarzo “Sacro Bosco”

発行:ありな書房
A5判
320ページ
上製
価格 4,800円+税
ISBN
978-4-7566-2069-9
Cコード
C0070
一般 単行本 芸術総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年2月1日
書店発売日
登録日
2020年1月13日
最終更新日
2020年1月13日
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紹介

本書は以下のような構成で、一六世紀イタリアにおけるマニエラの多様性と魅力的特質を具体的な作品を見ながら論じている。マニエリスムという芸術的潮流は、ジュリオ・ロマーノによって露骨で濃密なエロスを充填されて観者の身体を刺激し(第1章)、チェッリーニにおいては製塩と彫金という二つの領域を同調させる原理となり(第2章)、ブロンツィーノによってフィレンツェ公妃の政治的・社会的な身体を表象するために驚異的な質感を与えられた(第3章)。世紀末ローマでは、聖堂の装飾全体が一六世紀的な多様なマニエラの集大成、いわばカタログ・レゾネとなり(第4章)、フェデリコ・ズッカリの家におけるマニエラはフィレンツェの美術とその王者(とされた)ミケランジェロとの自らの連続性を証明するものとなり(第5章)、ボマルツォのサクロ・ボスコに現われた視覚的スペクタクルは美術史学者カルヴェージから「マニエリスムの現象学」の宝庫と呼ばれた(第6章)。すなわち、一六世紀イタリアにおいて、美術作品に表われるマニエラをその創造者の一部または分身であるかのようにとらえ、身体的経験をもたらす媒介とみなす「時代の目」が存在した。そのようにして理解されたマニエラによって生みだされる身体的経験は、蛇状曲線のような作品内部のモティーフとしてばかりでなく、作品の素材、タッチやマチエール、さらには準備から仕上げまでの創造過程そのもののなかに分かちがたく結びついていた。そして時にはそうしたマニエラにエロティックな身体的経験と意味が充填され、美術家によって誇示されたり、あるいは観者によって賛美されたりすることもあった。これまでしばしば、そして現在もなお、マニエリスムという用語自体への疑念がしばしば提示されてきたが、マニエリスムとかつて呼ばれたことのある美術的現象そのものがもつ特異な魅力、およびこの概念が美術史学に対して提示する問題は今も変わらない。結論として本書が明らかにするのは、マニエラの考古学および「時代の身体」への新たな視座である。

目次

【目次】
プロローグ マニエラはその人自身である──一六世紀イタリアにおける様式と創造  足達薫
第1章 欲情のエロティカ 〈君主の愛〉と〈神々の愛〉──パラッツォ・デル・テ「クピドとプシュケの間」再考  喜多村明里
第2章 彫金は製塩のように──チェッリーニ《塩容れ》における観者と彫金師  足達薫
第3章 肖像画のポリティクス──ブロンズィーノ《エレオノーラ・ディ・トレドと次男ジョヴァンニの肖像》  太田智子
第4章 オラトリオ・デル・ゴンファローネの《受難伝》──一五七〇年代ローマの美術状況  新保淳乃
第5章 フィレンツェのカーサ・ズッカリ──アトリエのファサードに刻印された画家のメッセージ  金山弘昌
第6章 ボマルツォの驚異──「聖なる森」のマニエリスム的世界  伊藤博明
エピローグ 「時代の身体」としてのマニエラ  足達薫

人名索引

著者プロフィール

金山 弘昌  (カナヤマ ヒロマサ)  (責任編集

慶應義塾大学文学部教授/イタリア美術史

喜多村 明里  (キタムラ アカリ)  (

兵庫教育大学大学院教授/イタリア美術史

足達 薫  (アダチ カオル)  (

弘前大学人文学部教授/イタリア美術史

太田 智子  (オオタ トモコ)  (

フィレンツェ大学博士/イタリア美術史

新保 淳乃  (シンボ アヤノ)  (

千葉大学文学部講師/イタリア美術史

金山 弘昌  (カナヤマ ヒロマサ)  (著/文

慶應義塾大学文学部教授/イタリア美術史

伊藤 博明  (イトウ ヒロアキ)  (

専修大学文学部教授/イタリア思想史

上記内容は本書刊行時のものです。