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アメリカン・ルネッサンス期の先住民作家 ウィリアム・エイプス研究 小澤 奈美恵(著) - 明石書店
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9784750352602

アメリカン・ルネッサンス期の先住民作家 ウィリアム・エイプス研究 甦るピークォット族の声

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発行:明石書店
A5判
384ページ
上製
価格 5,200円+税
ISBN
978-4-7503-5260-2   COPY
ISBN 13
9784750352602   COPY
ISBN 10h
4-7503-5260-8   COPY
ISBN 10
4750352608   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0098
一般 単行本 外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年9月25日
書店発売日
登録日
2021年8月17日
最終更新日
2021年9月22日
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紹介

一九世紀に活躍したピークォット族のキリスト教牧師で著述家・ウィリアム・エイプス。その生涯や作品とアメリカ先住民文学における位置づけをその時代の先住民の社会的地位、先住民表象、主流作家との関連の中で論考する。アメリカン・ルネッサンス研究に新たな光を当てた労作。

目次

 ウィリアム・エイプス関連地図(一八~一九世紀)
 フィリップ王戦争地図(一六七五~一六七六年)

 序


第Ⅰ部 ウィリアム・エイプス研究

第1章 ウィリアム・エイプスの文学について
 第1節 ウィリアム・エイプス先行研究
 第2節 ウィリアム・エイプス略歴

第2章 自伝『森の息子』に見るエイプスの生い立ちと回心体験物語
 第1節 アメリカ先住民自伝というジャンル
  1 草分け的な先住民自伝の定義
  2 純粋な伝統を引き継ぐ先住民自伝
  3 キリスト教に改宗した先住民の自伝
  4 ウィリアム・エイプスの自伝文学の位置づけ
 第2節 アメリカン・ルネッサンスにおける先住民自伝――ウィリアム・エイプスの『森の息子』論
  1 『森の息子』(A Son of the Forest, 1829)について
  2 「回心体験物語」(Conversion Narrative)とは
  3 「回心体験物語」(Conversion Narrative)とメソディスト派の利用
  4 「捕囚物語」(Captivity Narrative)の逆転
  5 「奴隷の体験物語」(Slave Narrative)の源流――市民権・選挙権への目覚め
  6 結語

第3章 メソディスト派説教師として
 第1節 千年王国論に託された先住民の復権――『キリスト王国の繁栄――説教』と『インディアン――消えた十部族』
  1 千年王国論と先住民=イスラエルの消えた十部族説
  2 先住民へのキリスト教布教
  3 エイプスが所属したメソディスト派
  4 『キリスト王国の繁栄――説教』と『インディアン――消えた十部族』
  5 結語
 第2節 回心体験物語とインディアンの鏡に映し出されるアメリカ社会――『五人のピークォット族キリスト教徒インディアンの回心体験物語』論
  1 作品の背景
  2 回心体験とインディアンの鏡
  3 結語

第4章 アメリカ先住民独立宣言――アメリカ革命の言説を用いた自治権獲得への闘い
 第1節 ウィリアム・エイプスと「マシュピー族の叛乱」
 第2節 白人に創り上げられた先住民表象の破壊
 第3節 人種、階層、宗派を超えた共闘と啓蒙主義精神の共鳴
 第4節 結語

第5章 二世紀に亘るフィリップ王神話形成に抗して――先住民視点によるフィリップ王神話の再構築
 第1節 一七~一八世紀におけるフィリップ王神話の形成
 第2節 一九世紀におけるフィリップ王の神話化
 第3節 エイプスの戦略――フィリップ王の脱神話化
  1 演説の背景
  2 『フィリップ王への讃辞』

第6章 アメリカン・ルネッサンスの作家たちの先住民観――エマソン、ソロー、ポー
 第1節 エマソンからソローへ
  1 エマソンと政治への関わり
  2 アメリカ先住民と強制移住
 第2節 『メインの森』のペノブスコット族――ソローが描かなかったもの
  1 ペノブスコット族の置かれていた社会的、歴史的状況
  2 『メインの森』に登場するペノブスコット族
  3 結語
 第3節 植民地時代の記録文学――ソローの『メインの森』への影響
  1 テオドール・ド・ブライの『紀行文集』
  2 ジョン・スミスの『ニューイングランド解説書』
  3 セバスチャン・ラール神父の『イエズス会通信』
  4 結語
 第4節 ポーとエイプスの接点――『アーサー・ゴードン・ピムの物語』に隠された「アメリカ先住民=イスラエルの消えた十部族」説
  1 『ピム』最終場面
  2 ポーと十部族説
  3 エイプスと十部族説
  4 伝記的接点
  5 結語

 第Ⅰ部写真出典


第Ⅱ部 エイプスの主要作品二編の全訳

森の息子

フィリップ王への讃辞


 あとがき

資料
 第Ⅰ部初出一覧
 ウィリアム・エイプス関連年表
 引用・参考文献
 第Ⅰ部索引

 著者・訳者紹介

前書きなど



 ウィリアム・エイプス(William Apess 1798-1839)は、一九世紀に活躍したピークォット族のキリスト教牧師・著述家で、本書はその研究書と翻訳による作品の紹介である。
 なぜ、エイプスという先住民作家を取り上げるのか。それは、アメリカン・ルネッサンスという時代に生きた作家でありながら、ほとんど、日本では顧みられることもなく、他の主流作家との関係性で論じられることも少なかったからである。アメリカでは、エイプスは一九九〇年代から文学批評の中に頻繁に取り上げられるようになり、過去三十年の間にその研究は大きく進展してきた。ここで、インディアン強制移住法の時代に東部に踏みとどまり、生きた証を残したアメリカ先住民の声を掬い上げて主流作家と対比させ、新たな視点からアメリカン・ルネッサンスの文学を読み直す可能性を探ることは意義深いと考えたのである。また、本書に地図を載せ、東部の先住民地域を示したのも、その存在の確かな痕跡を可視化したかったからである。
 本書は、以下のように二部構成となっている。第Ⅰ部は、エイプスの生涯やその作品研究である。その構成については後述する。第Ⅱ部は、エイプスの主要作品二編の全訳である。最初の『森の息子』(A Son of the Forest, 1829)は、エイプスの処女作となる自伝である。作家ハーマン・メルヴィル(Herman Melville)を先住民の視点を入れて研究している大島由起子氏に翻訳していただいた。次の『フィリップ王への讃辞』(Eulogy on King Philip, 1836)はエイプス最後の作品である。一七世紀にイギリス植民地連合軍と先住民部族連合軍の間で起きたフィリップ王戦争についてエイプスの解釈を示す講演の記録で、研究書の筆者である小澤奈美恵が翻訳を担当した。二編ともバリー・オコネル(Barry O’Connell)の編纂したエイプス全集(On Our Own Ground: The Complete Writings of William Apess, a Pequot, 1992)を底本とし、オコネルの作品解題と編註も訳した。

 (…後略…)

著者プロフィール

小澤 奈美恵  (オザワ ナミエ)  (

東京都立大学人文科学研究科(英文)博士課程単位取得満期退学。現在、立正大学経済学部教授。専門は、アメリカ文学・文化。
[主な著書・論文]
『アメリカ・ルネッサンスと先住民――アメリカ神話の破壊と再生』(鳳書房、2005年)
『9.11とアメリカ――映画にみる現代社会と文化』(越智道雄監修、塩谷幸子と共編著、鳳書房、2008年)
『映画で読み解く現代アメリカ――オバマの時代』(越智道雄監修、塩谷幸子と共編著、明石書店、2015年)
“The Maine Woods: What Thoreau Learned about the Penobscot People”(共著、Thoreau in the 21st Century: Perspectives from Japan. 日本ソロー学会、金星堂、2017年)

大島 由起子  (オオシマ ユキコ)  (

九州大学(文学・論文博士)、アイオワ大学大学院修士課程修了(修士)。現在、福岡大学教授。専門は、アメリカ文学。
[主な著書・論文]
ジェラルド・ヴィゼナー『逃亡者のふり――ネイティヴ・アメリカンの存在と不在の光景』(翻訳、開文社、2002年)
「ヴィゼナーのトリックスター小説」(共著『ネイティヴ・アメリカンの文学――先住民文化の変容』ミネルヴァ書房、2002年)
『メルヴィル文学に潜む先住民――復讐の連鎖か福音か』(彩流社、2017年)

上記内容は本書刊行時のものです。