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LGBTQの子どもへの学校ソーシャルワーク 寺田 千栄子(著) - 明石書店
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LGBTQの子どもへの学校ソーシャルワーク エンパワメント視点からの実践モデル

発行:明石書店
A5判
216ページ
上製
価格 3,300円+税
ISBN
978-4-7503-5047-9
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年7月6日
書店発売日
登録日
2020年6月12日
最終更新日
2020年7月15日
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紹介

日本の学校現場において性的マイノリティの子どもの権利は保障されているのか。小・中・高校の養護教諭へのアンケート調査、当事者学生への聞き取りを行い、エンパワメントの視点から学校ソーシャルワークによるLGBTQ支援の道すじを探る貴重な研究成果。

目次

序章 LGBTQの子ども達の学校生活の困難とは何か
 1.本研究の研究課題
 2.研究方法及び論文の構成
 3.用語解説
  1)セクシュアリティの概念
  2)セクシュアリティの構成要素
  3)LGBTQの概念
  4)SOGIの概念
 4.本研究におけるLGBTQの定義

第1章 LGBTQの子どもへの支援に関する先行研究
 はじめに
 1.わが国の学校教育現場を中心としたLGBTQの子どもへの支援に関する研究領域
  1)精神医学に関する領域
  2)心理的支援に関する領域
  3)人権に関する領域
  4)学校教育に関する領域
  5)わが国における先行研究の到達点と課題
 2.北米における学校ソーシャルワーク実践に関する研究
 3.小括

第2章 学校教育現場におけるLGBTQの子ども達の相談・支援に関する量的把握
 はじめに
 1.研究目的
 2.量的調査の方法
 3.養護教諭へのアンケート調査の概要
  1)調査目的
  2)調査対象
  3)調査時期
  4)回収状況
  5)調査項目
  6)倫理的配慮
 4.調査結果
  1)基本情報
  2)LGBTQに関して養護教諭が取り組んでいる内容
  3)所属する学校でのLGBTQに関する教員研修の実施状況
  4)LGBTQ(と思われる)の子どもからの相談受理経験とその内容
  5)相談に対して実際に行われた支援内容
  6)所属する学校のLGBTQへの理解状況
  7)今後学校教育現場に求められる支援
 5.考察
  1)LGBTQの子どもの相談の状況について
  2)学校教育現場での対応の実際について
  3)学校教育現場での理解促進を阻む要因について
  4)養護教諭の取り組みの実態と早期取り組みの必要性について
  5)今後の学校教育現場に求められる支援の内容について
  6)学校ソーシャルワークの有効性と支援の担い手としてのSSWr
 6.小括

第3章 LGBTQ当事者の学校教育現場での潜在的ニーズの質的把握
 はじめに
 1.研究目的
 2.研究方法
  1)調査協力者
  2)調査方法
  3)分析枠組
  4)分析方法
  5)倫理的配慮
 3.研究結果
  1)対象者の基本属性
  2)対象者ごとのインタビュー概要
  3)当事者のパワーの減退につながる要因
  4)当事者のエンパワーを促す要因
 4.考察
  1)パワーの欠如をもたらす構図
  2)エンパワーをもたらす構図
 5.小括

第4章 エンパワメント視点の学校ソーシャルワーク支援の必要性
 はじめに
 1.エンパワメントの概念整理
  1)グティエレスのエンパワメント概念
  2)パワーの概念
  3)LGBTQへのエンパワメント実践
 2.LGBTQの子ども達を取り巻くパワーの構造
  1)パワーの欠如につながる構造
  2)パワーの働きかけの方向
 3.LGBTQに関して学校教育現場の抱える課題
 4.学校ソーシャルワークの目的
 5.エンパワメント視点に基づく学校ソーシャルワーク実践の必要性
 6.小括

終章 エンパワメント視点に基づく学校ソーシャルワーク実践について
 はじめに
 1.エンパワメント視点に基づく学校ソーシャルワーク実践におけるSSWrの役割
  1)学校教育現場においてLGBTQの子ども達のアドボカシーを行う実践者としての役割
  2)子ども達が相談しやすい環境を作る実践者としての役割
  3)子ども達の居場所づくりを行う実践者としての役割
  4)校内外の支援体制を構築する実践者としての役割
  5)教員に対する支援を行う実践者としての役割
 2.学校ソーシャルワーク実践に必要な技術や知識
 3.エンパワメント視点での学校ソーシャルワーク実践モデル
  1)小学校での実践視点
  2)中学校での実践視点
  3)高等学校での実践視点
 4.実践の評価
 5.実践モデルの課題

 おわりに
 参考文献

前書きなど

序章 LGBTQの子ども達の学校生活の困難とは何か

 (…前略…)

2.研究方法及び論文の構成
 ここでは、論文の構成を述べる。
 序章において、本研究の研究課題、研究方法、調査の概要、論文の構成について述べる。加えて、全体を通して使用する用語について解説を行う。
 第1章では、学校教育現場を中心としたLGBTQの子どもへの支援に関する先行研究を整理し、わが国における先行研究の系譜、到達点について明確にする。加えて、諸外国のLGBTQへの学校ソーシャルワーク支援の先行研究を整理し、本研究の意義について述べる。特に、海外での先行研究については、LGBTQの当事者へのソーシャルワークの視点による支援が積極的に実践されているカナダやアメリカなどの先行研究を中心に検討を加えていく。
 以降の章において、わが国の学校教育現場におけるLGBTQの子ども達の実態と支援ニーズの把握を行う。まず第2章では、わが国の学校教育環境におけるLGBTQの子ども達の相談や支援状況とその課題を明らかにする。これまでもLGBTQに関する学校の状況を調査する先行研究はいくつか見られるが、GIDに絞るなど限定的な調査がほとんどであり、多様な性を包括した状況を量的に把握することが目的である。調査方法は、質問紙を用いて郵送法による自形式調査を行う。対象校は全国の小中学校、高等学校とし、無作為に抽出された3,000校(小学校1,000校、中学校1,000校、高等学校1,000校)とする。回答者は、業務内容からすべての児童・生徒の支援に携わる可能性が高い養護教諭とする。調査時期は2017(平成29)年6~7月である。研究の趣旨および倫理上の配慮を質問紙上に明記する。分析については、SPSS24.0およびSPSS Text Analyticsを使用し、統計的処理を行う。
 第3章では、量的調査(第2章)により明らかとなった学校の支援状況や課題に関して、20代のLGBTQの当事者が学齢時期にどのような支援へのニーズを持っているか質的調査を行う。調査方法は、12名の当事者を対象として、半構造化されたインタビューを行う。対象者は、当事者団体に所属する大学生とし、自らの小学校、中学校、高等学校時代を振り返った経験からの回答を依頼する。調査時期は2017(平成29)年7月~11月である。なお、対象者にはインフォームドコンセントを行い、辞退する権利や守秘義務、説明責任などを明確に伝えるなど、倫理的配慮を十分に行う。本調査では、当事者の許可を得てICレコーダーによる録音を行う。データ分析は、Nvivoを活用した内容分析を行う。
 第4章では、量的調査および質的調査の結果から導き出された、エンパワメント視点を基盤に据えた学校ソーシャルワークを展開していくことの必要性について論じる。
 最後に、終章ではわが国におけるLGBTQの子ども達への支援における学校ソーシャルワーク支援に関する実践モデルを提案する。

 (…後略…)

著者プロフィール

寺田 千栄子  (テラダ チエコ)  (

1983年福岡県生まれ。2005年西南学院大学文学部社会福祉学科卒業。2019年久留米大学比較文化研究科博士後期課程修了。博士(保健福祉学)。社会福祉士、精神保健福祉士。
福岡県内の医療機関や教育機関にソーシャルワーカーとして勤務する。その後、大学へ移る。現在、公立大学法人北九州市立大学基盤教育センターならびに地域創生学群准教授。一般社団法人福岡県スクールソーシャルワーカー協会理事(事務局長)。

上記内容は本書刊行時のものです。