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学校の社会学 マリアンヌ・ブランシャール(著) - 明石書店
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学校の社会学 フランスの教育制度と社会的不平等
原書: SOCIOLOGIE DE L'ÉCOLE

発行:明石書店
四六判
232ページ
上製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-7503-5014-1
Cコード
C0037
一般 単行本 教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年4月28日
書店発売日
登録日
2020年3月26日
最終更新日
2020年6月12日
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書評掲載情報

2020-07-04 朝日新聞  朝刊
評者: 本田由紀(東京大学教授)

紹介

教育社会学研究の入門書として、多民族・多文化が混在するフランスを題材に、学校教育の諸課題、とりわけ教育と不平等のダイナミクスを扱った研究の歴史的展開と現在を俯瞰する。教育と人間・社会・文化の関連について初学者にもわかりやすくまとめた一冊。

目次

 日本語版に寄せて
 表記について
 フランスの学校系統図
 略語一覧

序章
 学校の社会学の始まり:エミール・デュルケムのアプローチ
 ブルデュー対ブードン:二つの対抗する構築主義?
 アプローチの増大と多様化
 本書の構成

第一章 学校の一般化
 一つの教育爆発からもう一つの教育爆発へ
  コラム① がんばれ女子たち! 女子の就学についての重要年
  初等教育と中等教育の分離
  第一次「教育爆発(explosion scolaire)」と統一中学校(コレージュ)の出現
  コラム② フランスにおける私立学校の位置づけ
  技術教育と職業教育における就学
  第二次教育爆発
 学校は大衆化しているか?
  コラム③ 庶民階級(classes populaires)という概念
 学校内と学校外における学校様式
  学校様式の六つの特徴
  学校の壁の外における学校様式

第二章 差異化されたままの学歴
 初等および中等学歴の社会的差異
  コラム④ DEPP(評価予測成果局)のパネル調査
  二〇〇七年第六級入学者の軌跡から総括できること
  コラム⑤ 留年を判断する
  社会的出自により差異化された進路
  ……そして性別では
  ……そして移動歴では
 第二次教育爆発後の学歴に関するいくつかの傾向から
  後に持ち越される不平等、変容する不平等
  「先延ばしの排除」
  コラム⑥ 認知的中退
 高等教育における「引き延ばされた排除」
 免状(ディプロム)社会
  社会・職業的将来への免状の影響

第三章 学校における成功の不平等と進路選択の不平等
 成功の不平等
  家族の性向と学校の性向
  就学の条件
  コラム⑦ 不安定(déstabilisation)と方向を見失うこと(désorientation)
  教員の影響はあるか?
  学校との関係と社会認知的誤解
 進路選択の不平等
  コラム⑧ 移民(の子ども)の「事前の逃げ」
  コラム⑨ 一次効果、二次効果?

第四章 学校政策とその効果
 学校政策の現代的ダイナミクス:国家の位置づけとは?
  領土化とグローバリゼーション間での政策:領土化
  ……そしてグローバリゼーション
  コラム⑩ PISA調査
  国家のための新しい評価の役割?
 綿密に見る三つの政策
  カリキュラムと学校的知識の構築
  コラム⑪ フォーマルカリキュラム、現実のカリキュラム、隠れたカリキュラム
  優先教育政策:分散する方策と対照的な総括
  コラム⑫ パリ政治学院における「ZEP協定」
  学区制について

第五章 教育制度における教員とその他の職業
 教員の世界
  職業的混沌
  教員:中流階級のメチエか……そして女性のメチエか?
  コラム⑬ 職業高校の教員
 教員は(学校制度において)何をしているだろうか?
  教員の仕事
  教員と学校的不平等
 学校制度の他の職業と教育的仕事の分業

第六章 生徒たちとその家族
 学校経験
  社会化の決定機関としての学校:性別により差異のある社会化の事例
  高校生の世界
  学生でいるあり方
 家族と学校:社会的に差異のある関係性
  庶民家庭の学校的争点への転向
  中流階級と上流階級の親たち:「学校の消費者」?
  コラム⑭ 学業失敗への医学的方法の適用

終章

 参考文献
 訳者解題
 あとがき

前書きなど

序章

 (…前略…)

本書の構成
 学校の社会学における研究の豊かさや多様性を見せるように配慮し、本書は六つの章から構成されている。この中では二つの論証の輪郭が強調されている。すなわち、一つには学校がかつてないほどに社会における不平等の(再)生産に参加しているということ、そして、学校が個々人の社会的アイデンティティの構築の中でますます決定的な役割を果たしているということである。今日の学校および学校が社会で占める場所を理解するために、第一章では、一九世紀半ばより、全社会集団および性別へと社会化の学校的様式が広がるに至る歴史的プロセス(これを我々はフランスにおける「学校の一般化〔あるいは普及〕」と呼ぶことを提案したい)をまず振り返る。第二章では、現在の学歴が多様であること、学校的不平等が作られる中で社会的出自および性別が決定的役割を果たしていることを明らかにする。この説明は、学校における成功と進路選択の不平等についての研究(第三章)および教育政策の現代的ダイナミクスに関する分析の総括を通し、掘り下げられるが、政策により不平等を縮小することの難しさについても明らかにする(第四章)。そして最後の二つの章では学校を構成する個人、すなわち、教員および教育制度における他のプロフェッショナル(第五章)、生徒および家族(第六章)、そして学校が個々人へ行うこと、これらについて言及する。

著者プロフィール

マリアンヌ・ブランシャール  (マリアンヌ ブランシャール)  (

パリ高等師範学校卒業、経済・社会科学アグレジェ。現在ツールーズ・オクシタン・ピレネー国立教職・教育高等学院(INSPE)社会学准教授。

ジョアニ・カユエット=ランブリエール  (ジョアニ カユエット ランブリエール)  (

社会学者。フランス国立人口学研究所(INED)研究担当。
「学校的要請と庶民階層――全員就学の状況における進路指導」『フランスの社会階層と進路選択』(共著、勁草書房、2018)。

園山 大祐  (ソノヤマ ダイスケ)  (監修

大阪大学人間科学研究科教授/比較教育社会学・移民教育
『学ぶ・教える』(共著、大阪大学出版会、2020)、『世界のしんどい学校』(共編著、明石書店、2019)、『日仏比較 変容する社会と教育』(共編著、明石書店、2009)、『フランスの社会階層と進路選択』(編著、勁草書房、2018)、『岐路に立つ移民教育』(編著、ナカニシヤ出版、2016)、ほか。

田川 千尋  (タガワ チヒロ)  (

大阪大学高等教育・入試研究開発センター特任講師/比較教育社会学・大学教育学
「進路形成における自律的生徒・学生像」『フランスの社会階層と進路選択』(共著、勁草書房、2018)、S.オランジュ「上級技術者証書(BTS)という選択」『教育の大衆化は何をもたらしたか』(翻訳、勁草書房、2016)。

上記内容は本書刊行時のものです。