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マティス 画家のノート 新装版 アンリ・マティス(著/文) - みすず書房
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マティス 画家のノート 新装版

発行:みすず書房
A5判
442ページ
定価 6,400円+税
ISBN
9784622087311
Cコード
C3071
専門 単行本 絵画・彫刻
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年6月27日
最終更新日
2018年7月4日
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紹介

マティスは絵画のほか彫刻、挿絵、切り紙絵等、多方面にわたる活動で20世紀美術に個性的な歩みを示した。本書は画家の「芸術に関する文章と談話」のすべての集成で『ジャコメッティ 私の現実』とならんで読む美術書ともいうべく、ほとんどはじめて紹介される文章である。
感情と芸術表現、空間の表現、デッサンと色彩の葛藤、表現者と自然との同化、表現の記号、アメリカの都市空間と現代美術、オセアニアの光と地中海の光、中国や日本の画家の自然に対する態度、浮世絵から啓示をうけたこと、オリエント、ビザンチン、ロシア・イコン、プリミティヴ芸術、レジスタンス活動で捕えられた妻と娘についての心痛、闘病と仕事のこと、切り紙絵、彫刻、ヴァンス礼拝堂など多くが語られている本書はマティスを広い視野から見直すための大きな手がかりとなるだろう。

「白いカンヴァスの上に、青、緑、赤などの感覚をまき散らすと、一筆加えるごとに前に置かれたタッチはその重要さを失ってしまう。室内を描くとする――私の前には戸棚があり、実にいきいきした赤の感覚を私に与えている。そして私は満足のいくような赤を置く、この赤とカンヴァスの白との間にある関係が生まれる。そのそばに緑を置き、黄色で寄せ木の床を表現しようとする。そこでこの緑と黄とカンヴァスの白との間に私の気に入る関係が生まれるだろう。だが、これらのさまざまな色調はお互いを弱めてしまう。私が使ういろいろな記号はお互いを殺さないように釣合いがとれていなければいけない。そのためには私の発想を秩序立てねばならない……」――H・マティス

目次

〈伝記〉
はしがき
アンリ・マティス  ガストン・ディール
光の裁断師  ジョルジュ・デュデュイ
オアシス  アンドレ・マッソン
光と幸福の中のマティス  ピエール・ルヴェルディ

〈画家のノート〉
『画家のノート』推薦のことば  ジョルジュ・デヴァリエール 1908
画家のノート 1908
アポリネールのインタヴューを受けたマティス 1907
エスティエンヌとの対話 1909
サーラ・スタインのノート 1908

〈絵の仕事〉
略伝 1930
ジャック・ゲンヌとの対話 1923
ピエール・クルティオンとの対談 1931
テリアードとの対談 1929
アンリ・マティスの世界旅行 1930
マティスは語る 1952
テリアードが記録した言葉 1933
テリアードが記録した言葉 1936
近代主義と伝統 1935
レーモン・エスコリエへの手紙 1936

〈バーンズ財団の『ダンス』について〉
メリヨンの『ダンス』についての覚え書
ドロシー・ダドリーとの対談 1934
アレクサンドル・ロムへの手紙 1934
モスクワ西洋美術館館長への手紙 1935
ガストン・ディールが記録した言葉 1946
ジョルジュ・シャルボニエとの対談 1960

〈デッサンと色彩の永遠の葛藤〉
とりとめもなく 1937
自分のデッサンについての画家の覚え書 1939
素描シリーズ『主題とヴァリエーション』についてのマティスの覚え書 1942
アンドレ・ルーヴェール宛ての手紙――樹木の素描について 1942
樹木の素描について語る――ルイ・アラゴンの記録による 1942
正確さは真実ではない 1947
肖像画 1954
デッサンと色彩の永遠の葛藤 1940-1947
証言 1943
色彩について 1945
色彩の役割と様相 1945
黒は一つの色彩だ 1946
色彩の道 1947
色彩についての覚え書 1962
色彩について語る 1962

〈私は本造りをどんな風にやったか〉
私は本造りをどんな風にやったか 1946
本の挿絵についての談話
ジョイスの『ユリシーズ』の挿絵についてシモン・ビュッシーに宛てた手紙 1934
ロンサールとドルレアンの『詩集』の挿絵をめぐっての手紙 1941-1947
レジーヌ・ペルヌーとの対話 1950
『鮫とかもめ』をめぐるルネ・シャール宛ての手紙 1946

〈『ジャズ』と切り紙絵〉
『ジャズ』 1947
『ジャズ』についてアンドレ・ルーヴェールに宛てた手紙 1947
アンドレ・ルジャールの収録した言葉 1951
ガストン・ディールの質問書への答え 1949
証言 1952
アンドレ・ヴェルデによって記録された言葉 
具象的と非具象的というこうした区別の流行
ピエール・ベレス宛ての手紙『インコとシレーヌ』について 1954

〈ヴァンスの礼拝堂〉
エースの司教 レモン猊下へ手紙 1951
ロザリオ礼拝堂 1951
ヴァンスの礼拝堂、生涯の到達点 1951
ヴァンスの礼拝堂に関する手紙 1949-1951
ロザモン・ベルニエによって記録された言葉 1949
ヴァンスの礼拝堂についてのインタヴューさまざま
ヴァンス礼拝堂に関する談話――クーチュリエの記録による 1948-1952

〈メッセージ〉
第二の人生を生きているような気がする 1940-1954
レオン・ドゥガンとの対談 1945
テリアード宛ての手紙 1947
ヘンリー・クリフォード宛ての手紙 1948
アンリ・マティスがあなたに語る 1950
あいさつ 1951
生まれ故郷の町へのメッセージ 1952
すべての生活を子供の目で眺めなければいけない 1953

文献目録
主要項目についての索引
あとがき

著者プロフィール

アンリ・マティス  (アンリマティス)  (著/文

1869-1954。ノール県ル・カトー=カンブレジの穀物卸売商人の家に生まれる。1887年パリに出て法律を学ぶが画家を志し、1892年国立美術学校のモロー教室に入る。1905年コリウール滞在中に試みた新印象主義的な表現を経て、同年のサロン・ドートンヌでは「フォーヴ」誕生の中心的役割を果たす。1917年ニース滞在期以降は自然主義的な画風に戻るが、デッサンと色彩とを融合する「切り紙絵」へと到達。1951年のヴァンス礼拝堂はその集大成である。

二見史郎  (フタミシロウ)  (翻訳

1928年神奈川県に生まれる。1951年東京大学文学部哲学科卒業。愛知県立芸術大学名誉教授。著書『プラック』(みすず書房、1963)、『抽象の形成』(紀伊國屋書店、1970)、『ファン・ゴッホ詳伝』(みすず書房、2010)。訳書 リード『近代彫刻史』(紀伊國屋書店、1965)、『ファン・ゴッホ書簡全集』(共訳、みすず書房、1963)、ビビー『未知の古代文明ディルムン』(共訳、平凡社、1975)、『マティス 画家のノート』(みすず書房、1978)、シャピロ『モダン・アート』(みすず書房、1984)、ピックヴァンス『アルルのファン・ゴッホ』(みすず書房、1986)、ゴンブリッチ『棒馬考』(共訳、勁草書房、1988)、ティルボルフ編『ファン・ゴッホとミレー』(共訳、みすず書房、1994)、『ファン・ゴッホの手紙』(編・共訳、みすず書房、2001)、ダンチェフ『セザンヌ』(共訳、みすず書房、2015)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。