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分子の薄膜化技術 八瀬 清志(著/文 | 編集) - コロナ社
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分子の薄膜化技術 有機EL,有機トランジスタ,有機太陽電池などの有機薄膜デバイス作製技術に向けて

発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
288ページ
定価 4,200円+税
ISBN
9784339009385
Cコード
C3055
専門 単行本 電子通信
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年12月3日
書店発売日
登録日
2020年10月10日
最終更新日
2020年11月11日
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紹介

スマートフォンや大型ディスプレイに搭載されている有機ELは、1980年代から世界中で熾烈な研究開発が行われてきましたが、カーナビ用の小型パネルや携帯電話のサブディスプレイとして世界に先駆けて日本で製品化されました。一方、これらの基礎となる「有機半導体」の概念を1950年代に研究の俎上に挙げたのは井口洋夫先生たちであり、1970年代から始まる電荷移動型錯体や導電性高分子等の有機金属の研究をリードしてきたのも日本の研究者です。今まさに先人の努力が、一般の方々も使えるエレクトロニクス・デバイスとして実用化が進んできています。このように、応用・実用化が進んでいるときこそ、初心に帰り、有機分子の持つ特徴的な構造、異方的な凝集機構およびその制御法について理解することが必要と考えます。
本書は、薄膜構造・物性および作製法において、既存の成書では多くは語られてこなかった光電子機能有機分子を取り上げ、金属や無機薄膜とは異なる特徴を有する分子薄膜の作製・評価技術に特化したものです。

第1章 有機薄膜概論:有機分子の「形」と「分子間に働く力」の異方性に着目し、薄膜構造・凝集機構における分子配向・配列の概念の紹介
第2章 有機結晶学入門:結晶学の観点から有機結晶の特徴、特に、分子配向・配列構造の紹介
第3章 有機薄膜成長の基礎:一般の薄膜成長における原子(点)ではなく、特異な構造を有する有機分子の表面拡散・凝集・核発生・薄膜成長などの機構につき、現象論と確率論に基づく議論および非晶質(アモルファス)膜の成長機構の紹介
第4章 エピタキシャル成長:無機結晶表面での有機分子の異方的な配向・配列による成長機構の説明
第5章 有機薄膜各論:棒状(アルカン)・平板状(フタロシアニン)・球状(フラーレン)等の分子形状に着目した有機薄膜の構造と凝集機構の説明
第6章 有機薄膜の作製法:湿式(ウェット)と乾式(ドライ)作製法の紹介。特に、水面上の単分子膜とその積層によるラングミュア・ブロジェット(LB)法、インクジェット法やマイクロコンタクト法などの印刷法、そして、有機分子ならではの蒸着重合法や間圧転写法などのユニークな手法も紹介
第7章 有機薄膜の構造・分子配向の観測法:電子線やX線を用いた構造・物性評価、各種顕微・分光法による分子配向の評価法、原子間力顕微鏡による分子構造および分子配列の観察法、そして表面潤滑・摩擦(トライボロジー)および熱(蒸気圧)や接触角などの手法の紹介
また、途中で「アモルファス中の分子配向」、「計算機シミュレーション」、「その場観察」についてのコーヒーブレイクを挿入

本書は、応用物理、材料科学、化学・高分子、電気電子、などの大学生や大学院生、企業におけるエレクトロニクス関連の材料・デバイスの研究に携わる方々の入門書(自己学習用教材)として企画・執筆しています。関係する文献もできる限りのものを引用させていただいています。10年後の日本の、そして世界の科学技術を支え、ポストコロナを生き抜く新しい産業のために貢献できればと思っています。

目次

1.有機薄膜概論
1.1 有機分子の構造
1.2 分子の間に働く力
1.3 有機薄膜デバイス
引用・参考文献

2.有機結晶学入門
2.1 有機結晶
2.2 高分子結晶
2.3 液晶
引用・参考文献

3.有機薄膜成長の基礎
3.1 有機薄膜の形成過程
3.2 薄膜成長素過程
3.3 現象論的な取扱いと確率論的な取扱い
 3.3.1 2種類の取扱い
 3.3.2 連続体モデル
 3.3.3 現象論的な取扱い
 3.3.4 確率論的な取扱い
3.4 分子の異方性が及ぼす影響
 3.4.1 原子・分子の形状と異方性
 3.4.2 分子の異方性・配向とクラスターの形状
 3.4.3 現象論的な取扱い
 3.4.4 確率論的な取扱い
3.5 非晶質薄膜の成長機構
 3.5.1 等方的な薄膜形成
 3.5.2 異方的な薄膜形成
 コーヒーブレイク アモルファス薄膜中の分子配向
引用・参考文献

4.エピタキシャル成長
4.1 エピタキシーとは
 4.1.1 エピタキシー
 4.1.2 ミスフィット
 4.1.3 分子-基板間相互作用とエピタキシーの種類
4.2 界面相互作用のモデル
 4.2.1 1次元界面モデル
 4.2.2 2次元界面モデル
4.3 格子整合とミスフィット
 4.3.1 有機エピタキシーにおける格子整合性
 4.3.2 有機エピタキシーにおけるミスフィット
 4.3.3 有機エピタキシーにおける分子の異方性の影響
4.4 さまざまなエピタキシー現象
 4.4.1 エピタキシーにおける基板表面粗さの影響
 4.4.2 グラフォエピタキシー
 4.4.3 分子と基板が強い結合を作る場合のエピタキシー
 コーヒーブレイク コンピューターシミュレーション
引用・参考文献

5.有機薄膜各論
5.1 分子形状による分類
5.2 1次元鎖状分子
 5.2.1 長鎖n-アルカン
 5.2.2 長鎖パーフルオロ-n-アルカン
 5.2.3 フッ化ビニリデン(VDF)オリゴマー
 5.2.4 直鎖有機シラン
5.3 平面状分子
 5.3.1 フタロシアニン
 5.3.2 その他の平面状分子
5.4 球状分子(フラーレン)
5.5 複雑形状をもつ分子の薄膜結晶成長
引用・参考文献

6.有機薄膜の作製法
6.1 さまざまな作製法
6.2 ウェットプロセス
 6.2.1 スピンコート法およびバーコート法
 6.2.2 電解重合法
 6.2.3 ラングミュア-ブロジェット(LB)法
 6.2.4 化学吸着法および自己組織化法
 6.2.5 交互吸着法
 6.2.6 印刷法
6.3 ドライプロセス
 6.3.1 真空蒸着法・分子線蒸着法
 6.3.2 蒸着重合
 6.3.3 摩擦転写法
 6.3.4 スプレー法
 6.3.5 その他
6.4 薄膜処理法
 6.4.1 ラビング法(機械的処理)
 6.4.2 ポーリング法(電気的処理)
 6.4.3 ソルベントアニール法(溶媒処理)
引用・参考文献

7.有機薄膜の構造・分子配向の観測法
7.1 電子顕微鏡
 7.1.1 電子線エネルギー損失分光
 7.1.2 EELSパターンの検出法
 7.1.3 電子分光結像法
7.2 電子線回折
7.3 電子分光
 7.3.1 エネルギー準位測定の手法
 7.3.2 電気化学的方法
 7.3.3 光電子放出電流分光(PYS)法
 7.3.4 光電子分光
 7.3.5 逆光電子分光
 7.3.6 高分解能電子エネルギー損失分光
7.4 X線回折
7.5 光学顕微鏡
7.6 分光的手法
 7.6.1 電磁波と分子の相互作用
 7.6.2 赤外分光法
 7.6.3 赤外吸収スペクトルの実際の測定
 7.6.4 ラマン分光法
 7.6.5 表面プラズモン共鳴
 7.6.6 強い電場と非線形分極
 7.6.7 和周波発生(SFG)分光法
 7.6.8 第2次高調波発生(SHG)分光法
 7.6.9 エリプソメトリー法
 7.6.10 偏光蛍光法
7.7 原子間力顕微鏡
 7.7.1 原子間力顕微鏡の原理
 7.7.2 AFMによる有機結晶の構造解析
7.8 機械的手法(トライボロジー)
7.9 その他の手法
 7.9.1 蒸気圧測定
 7.9.2 昇温脱離法
 7.9.3 接触角
 コーヒーブレイク その場観察
引用・参考文献

索引

上記内容は本書刊行時のものです。