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発行:朝日出版社
A5変型判
64ページ
定価
2,100円+税
- ISBN
- 9784255011868
- Cコード
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C0095
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一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
- 初版年月日
- 2020年6月11日
- 書店発売日
- 2020年6月11日
- 登録日
- 2020年5月13日
- 最終更新日
- 2020年5月14日
書評掲載情報
2020-07-04 | 毎日新聞 朝刊 |
紹介
異界を覗く愉悦と甘美な慄き!
言語のみを媒介として組み立てられた、
鏡花の自我の奥底にひそむドラマの構造が、
私の目にありありと映り、その超現実的な
言語体験を私もまた痛切に共有し得るという、
芸術作品の秘密は何であろうか。
澁澤龍彦
(『偏愛的作家論』より)
尾崎紅葉のもとで小説修業をし、作風は、川端康成、石川淳、三島由紀夫、澁澤龍彦らに多大な影響を与えた、泉鏡花の幽玄華麗な文体が煌めく名作短篇。
金沢の年間約2万人、開館以来、約40万人が訪れた、泉鏡花記念館で開催予定の「泉鏡花×金井田英津子『絵本の春』原画展」公式画本。
こちらが覗けば向こうからも、というわけで魔の小路を覗いた
少年は美しいあやかしに微かな毒意を秘めたいたずらをされます。
鏡花の少年は常に無垢で純粋な魂の標号のような存在ですが、
それが無惨なもの悪意あるものと対置されるとき、私にはちょうど
手で作った窓のような装置となって束の間の幻想を見せてくれるように
思われました。 ―「あとがき」より―
上記内容は本書刊行時のものです。