会計と犯罪
郵便不正から日産ゴーン事件まで
- ISBN
- 9784000613415
- Cコード
-
C0036
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一般 単行本 社会
- 出版社在庫情報
- 不明
- 書店発売日
- 2019年5月30日
- 登録日
- 2019年4月12日
- 最終更新日
- 2019年6月6日
書評掲載情報
2019-08-03 |
朝日新聞
朝刊 評者: 間宮陽介(京都大学名誉教授・社会経済学) |
2019-07-20 | 日本経済新聞 朝刊 |
2019-07-14 |
産經新聞
朝刊 評者: 黒木亮(作家) |
紹介
粉飾決算事件における共謀容疑で、一貫して無実を主張し闘ったが有罪確定した著者。同じ頃、郵便不正事件で厚労省の村木厚子元局長が無罪となった。村木氏と自分の判決の差は何か──。著者は、郵便不正事件の研究から未踏の「犯罪会計学」を切り開き、日産ゴーン事件をも鋭く抉っていく。その核心は経済事件における特捜検察の冤罪構造にあった。
目次
はしがき
Ⅰ 「あの日」からの私
第1章 執行猶予の日々
1 特官の税務調査
2 銀座の高額納税者
3 犯罪会計学研究
4 ロンドン入管勾留
第2章 ジオス倒産
1 ジオスの英会話教室
2 民事再生CFO
3 九段日本語学院
4 九段日本文化研究所
5 代表取締役の解任
第3章 自動車販売
1 所有と経営の分離
2 製造原価の削減
3 明るく元気に
4 クレーム対応
5 小さな合意
6 妖しいクラブ
7 振り向けば郵便不正
Ⅱ 郵便不正事件という転換点
第4章 郵便不正事件
1 心身障害者用低料第三種郵便
2 誰も経済的損害を受けていない
3 罰金刑での逮捕
4 郵便事業会社職員の犯意
5 事件を大きくしたい
第5章 虚偽公文書事件
1 国会議員の口利き
2 アリバイが出た
3 順次共謀の連鎖の輪
4 塩田部長の弱み
5 河野代表発起人の登場
6 倉沢会長の嘘
第6章 無罪判決
1 公的証明書の作成日付
2 関係者の逆転証言
3 村木課長の無罪判決
4 特信状況
5 関係者の自白調書
6 村木課長の運
7 上村係長の動機
8 事件の結末
第7章 大阪地検特捜部
1 マスコミに殺された
2 大坪特捜部長の弁明
3 虚偽過誤説明の出来栄え
4 前田主任検事の告白
5 佐賀副部長の錯乱
6 白井検事のアリバイ
第8章 証拠改竄事件
1 真実は一つだ
2 ミステイクということで行く
3 普通の人と思ってはいけない
4 大坪特捜部長の有罪
5 変わりゆく世論
6 小林検事正の二律背反
7 逮捕と行政処分の境目
8 小林検事正の悪夢
第9章 特捜検察の終焉
1 塚部検事の涙の告発
2 特捜検察の捜査思想
3 どんな人でも有罪にできる
4 特別公務員職権濫用罪
5 ハインリッヒの法則
6 捜査権と起訴権の併有
Ⅲ 犯罪会計学で何が分かるか
第10章 犯罪会計学の成立
1 有罪・無罪の分水嶺
2 日債銀最高裁判決
3 甲号証の同意
4 故意の反証
5 経済事件に再審なし
6 辛い時はここで泣け
7 フロードシューター
第11章 日産自動車カルロス・ゴーン事件
1 有価証券報告書虚偽記載罪
2 SAR報酬
3 会社私物化情報
4 同一容疑での再逮捕
5 特別背任
6 通貨スワップ契約
7 ハリド・ジュファリ氏
8 無罪判決の可能性
第12章 日産ゴーン事件オマーン・ルート
1 オマーン・ルート
2 アラブの正義
3 スヘイル・バウワン氏の証言
4 キャロル夫人の日本脱出劇
5 事件は公開の裁判へ
あとがき
出典/参考文献「あの日」からの私