版元ドットコム西日本での活動
空梅雨の初夏。季節ものと鮎を食べたが、滋賀県の鮎生け捕り漁「やな」は、この空梅雨のせいで鮎が上らず、川も干上がって不漁とのこと。自然界はままならない例が毎年のようにあるが、人間界もまたままならない。
さて、版元ドットコム西日本の活動を宣伝しておきたい。
6月28日(水)に新大阪丸ビル本館608号室で『書店営業、増刷判断、取次請求に役立つデータの作り方―「営業データ統合ツール」を活用して』の勉強会がある。
東京であった勉強会、私も聞きたかったがなかなか東京まで行くのは大変だと思っていたところ、こういう版元ドットコムの西日本であるという話しがあるお蔭で、今回内山氏の声かけから大阪で行っていただけることになった。しかし残念ながら、こういった場合、ほぼ関西にいる版元ばかりの集まりになり、更に遠方の版元には申し訳ないけれども、それでもその機会を作り、集まれる限りは集まって情報の共有をしたい。いつも会う顔ぶれは、それぞれにいろんな工夫をして活動し、版元のスタイルが様々なので、講師の方のお話される苦労もしのばれるが、ここはじっくり話しを聞いておきたい。
版元の様々なスタイルがあるというのは、今、版元ドットコム西日本で行っているイベントからもよくわかる。大阪環状線森ノ宮駅にあるキューズモールの「まちライブラリー」という読書のできる図書カフェにて、毎月第1月曜日に「本をつくるってこういうこと」というシリーズイベントを行っている。
毎回版元ドットコム西日本で集う版元にそれぞれの版元の本のつくり方をご講演いただいている。本の内容も営業の仕方もそれぞれに違う。それをお話するイベントなのだが、この「まちライブラリー」のツイッターなどに登録する3000人ぐらい人達に宣伝し、そしてご来場いただく。来場していただいた顔ぶれは、版元の知り合いなどもあるが、全く知らない人達もいる。つまり、そんな版元の事情などはじめて聞く人達もいるのである。そういう人達に向けて話しをしていくのは、どこまで何を話していいのかとまどうこともある。けれども知ったようなつもりでいたことが、話してみるとよくわかっていなかったり、まだまだここは勉強して、幅を広げていけるのではないかと思ったりする。そこで、やはり6/28の営業に関する勉強会も、改めて必要であると思える。知識を増やしたり整理したりすることで、努力できる範囲がもう少し伸びる。そんな小さい変化がとても必要である。
それから、版元ドットコム西日本といいながら、どうしても関西圏に固まり、なかなか更に遠方の版元にはお越し頂けないが、次回の7月3日のまちライブラリーでのイベントは海風社さんが「著者との出会い 『こころとからだ 奄美 再生のレシピ』田町まさよさんをお迎えして」と題して、沖縄から著者をお呼びして開催していただける。版元ドットコム西日本で行われる会議でも、沖縄の版元さんに本当はお越しいただきたいがなかなか叶わないなか、嬉しい限りである。海風社さんは、「南島叢書」をずっと刊行しておられ、南の島々との関わりが深い。それもシリーズ97冊となり、100冊を記念してお話いただく約束だったのが、今ここで叶えていただけることとなった。熱き思いを語っていただく。
さらには、11月7日に恒例の書店商談会ブックエキスポ2017がある。これまでがんばって3,4ブースを出してきたが、今年は2ブースとなった。書店さんとのせっかくのお話する機会ではあるが、なかなか効果が見えないことや版元の日程が合わないなどのことがあり、徐々に版元ドットコム西日本としては小規模になってきているが、ブックエキスポそのものは、来場者数も商談成立金額も年々伸びている。そこに乗り切れない悲しさはあるが、しかし、弊社のような専門書を扱う版元では、やはり書店さんとお話できる大事な機会でもある。せっかくの商談会を全く無縁のものとするか、少しでも良いきっかけを作れるものとするか、四苦八苦して関わりをあきらめないでいたい。
2017年6月15日、徹夜の国会から明けて共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が通る。と同時にパソコンの調子もめっきり悪くなった。怒濤のように流れる時代の中で、小さい一つのことすらままならない。色々心すべきことばかりである。