「優先席周り」の携帯電話
03年9月1日より、NTTDoCoMoは身体障害者などを対象とした「ハーティ割引」サービスを始めた。「ハーティ割引」は「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けている人を対象に、通話料などが50%オフになるというもの。
Jフォン、au、tu-kaの携帯電話各社も今秋より同様の割引サービスを予定していて、緊急時の連絡に欠かせない携帯電話がより身近になるのは良いことだ。
同じく1日より、これまでJR東日本は「混雑時は電源オフ、混雑時以外では使用を遠慮」としていた携帯電話のルールを変えた。JR東日本と関東の私鉄などでは、車内アナウンスで「優先席付近は電源オフ、それ以外ではマナーモード設定」との告知が始まっている。車内での通話が厳禁なのはこれまで通りで、メールの送受信やi-mode使用はどうやら黙認されるよう。
仕事柄、携帯電話が欠かせないひとりとして、電車内でメールを打つたびのうしろめたい思いから解放されるのは歓迎したい。
もうそろそろ「単純な車内マナー」のひとつとして、携帯電話を使われて困る人にも、使えなくて困る人にもよりよい折り合いが見つかってもいい頃だろう。心臓ペースメーカーの誤作動など、電磁波の「悪影響のおそれ」はマナー以前の問題だとしても。
そういえば、電車で携帯を使われると一番困るのは出版社だ、との話がある。
若者が携帯メールをするようになってから情報誌の売り上げが半減したり、ひまつぶし要員の中吊り広告がそっぽ向かれたり、通勤を読書にあてる習慣がなくなったりと、困ることばかり。
逃げ口上のうえ、ほとんど逆恨みのような話なのだけど。
・NTTDoCoMo「ハーティ割引」 (9月〜)
・Jフォン「プライオリティサポート」 (10月〜)
・au「スマイルハート割引」 (11月〜)
・tu-ka 「エール17、エール35」 (11月〜)